2025/10/24

第703回男塾「世界二位に返り咲く日本帝国」後編

国際政治
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第703回男塾「世界二位に返り咲く日本帝国」後編




日本の製造業は日本精神から

ではどうして「部品の帝国」が出来上がったかというと・・・「部品の帝国」は一朝一夕で出来上がったのではない。いや、正確に述べると部品ではなく"心臓部の帝国"でもあった。その技術は他国が到底真似できない日の丸産業が長年培って来た技術の結晶である。


なぜ真似できないかというと、日本の物づくりの「日本精神」と深く関わっているからである。精神性は日本文化から醸成されたものであるだけに外国人には真似できない。それはスビート第一主義ではなく、実力主義でもなく、拡大主義でもなく、成果主義でもなく、支配主義でもない、日本的価値観から生み出される日本的技術だから真似できないのである。


「日本精神」は台湾の李登輝総統がよく使っていた言葉で台湾では「リップン・チェンシン」と呼ぶ。日本統治時代に台湾の人が学んだとされる「勇気」「忠誠」「勤勉」「奉公」「自己犠牲」「責任感」「遵法(じゅんぽう)」「清潔」とい日本的精神は台湾で純粋培養された。その精神は高貴な精神かつ理想的な生き方とされている。今でも落とし物を警察に届けた人を「日本的精神のある人、すなわちリップン・チェンシンのある人だね」と言われる。そして製造業には今も日本精神が脈々と流れ途絶えることはない。


製造業には、愚直に技を磨き、諦めることなく、何十年かかってもコツコツコと完成に向けて一途に努力する勤勉性と愛他の精神がある。日本は何でも「道」となる。華道、茶道、柔道、合気道、剣道、相撲道、野球道、空手道、歌舞伎道・・・その道を極め達人を目指すことは全て「道」であり、技だけではなく同時に精神性を磨くところに特徴がある。「道」には無限の精進が要求されるだけに、どの「道」もストイックでなければ達人になることなど到底できない。己を抑制し厳しくあることが「道」を究める必要不可欠な方法である。

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