第689回男塾「国際外交はビジネス!トランプ流交渉術」
日米のリーダーの違い
国際外交を国家対国家のビジネスの場と捉え、ビジネスで培った交渉術を駆使して常に絶対的優位な立場に身を置きながら、期限を切って恫喝に近い交渉を進め勝利していくという、世にも珍しい国際外交を世界中に見せている。誰のことかというとトランプ米大統領の関税交渉のことである。
トランプ大統領は大統領選挙期間中より関税を武器とする国際外交を看板政策として訴えて支持を集めて来たが、日本の政治家とは真逆にあたる「有言実行」をすることによって空前の収益を国家にもたらしている。その国益は必ず国民に還元されることになるため、米国国民は賢い選択をしたと言えよう。
経営の要諦は「出るを制して入るを量る」である。会計用語に置きなおすと、「販管費を抑えて売上げの最大化」を図れば利益を最大化することになる。国家とて歳入と歳出のバランスによって財政赤字か財政黒字か決まるため、この考え方は国家経営にもそのまま当てはまる。
トランプ大統領は初期段階ではイーロン・マスク氏を政府効率化委員会のトップに据えて、無駄を徹底的にカットさせることによって政府支出の最小化を目指し、そして同時並行して「最も美しい言葉」と言い放った貿易相手国に対する「高関税」を化すことによって国家の歳入(収益)を増やす政策を一途に行っている。トランプ大統領は言わずと知れた経営者畑の大統領であるが、国家運営を"経営"と捉えている証左であるし、それはまた正しいことでもある。