第674回男塾「心を自由にする哲学のはなし」3
自分の「外」に美点を見出してはならない
【第6節】
『自分以外のものの美点を、さも自分自身の美点であるかのように得意がってはいけない。あなたの馬が、「わたしは美しい」と自慢するのは別にかまわない。しかしあなたが、「わたしの馬は美しい」と自慢するなら、馬の美点を自分のものとして勘違いしていることに気づくべきである。それではあなた自身が誇れるものとは何か?自分の思考を正しく働かせる能力である。あなたがこの能力を使い、自然にかなった状態にあるなら、その時こそ胸を張るべきだ。誇るに値する美点があなたの内側に備わっているということなのだから』
世の中は自分以外ものを、誇ったり、自慢している人で溢れかえっている。「彼女が美しいことを誇ったり」、「1カラットのダイヤのリングを誇ったり」、「家柄や父親が代議士であることを誇ったり」、「自家用車のポルシェを誇ったり」、「高級な舶来のドレスを自慢したり」、「豪邸を誇ったり」、「勤続する上場会社を誇ったり」「阪神タイガースを誇ったり」している。
いずれも全部、自分自身のものではないのに誇っている。「彼女が自分は可愛い」と自慢するのはかまわないが、「自分の彼女は美しい」と自慢するのは、彼女の美点を自分のものとして勘違いしていることに気が付かねばならない。自分以外のものを誇るのは愚かさの証明にはなるものの、自分が自慢できる類のものではない。
会社は自分のものではないので会社を自慢してはならないと述べたが、ならば創業社長は会社を誇っていいのかというと、それも違う。会社は創業社長のものでもない。会社は株主のものとか、社員のものという意味あいで違うといっているわけではない。自由にならないものは自分のものに非ず、という定義からすると会社は社長の自由になるものではない。このように自由にならないものは自身のものではないのだから誇ってはならない。