2025/02/25

第673回男塾「心を自由にする哲学のはなし」2

哲学・思想
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第673回男塾「心を自由にする哲学のはなし」2




自分の力が及ぶものと、そうでないもの

「要録」は全部で53節から構成されている。節の文章量はそれぞれで数百語にまとめられたものもあれば、行動の指針を箇条書きのように列挙したもの、わずか数行の短い文章もある。第一節では「自分の力が及ぶものと、そうでないもの」というエピクテトスの思想の根幹を成す考え方が示されており、導入部としての役割を担っている。そして53節は締めくくりの格言が掲載されている。では第一節を全文掲載しその後考察する。


【第一節】
『世の中には、我々の力の及ぶものと及ばないものがある。我々の力の及ぶものは、判断とか努力だとか欲望だとか、嫌悪感だとか、ひとくちに言えば、我々自身の意思が生み出すものすべてである。我々の力の及ばないものは、我々の肉体だとか財産だとか、名誉だとか地位だとか、我々の意思の力ではどうにもならないものすべてである。そして、我々の力の及ぶもの、すなわち意思の範囲のものは、その性質上、自由である。禁止されることも、妨げられることもない。ところが、我々の力の及ばないものは、弱く、隷従的で妨害されやすく、他人の手に握られるいるものである』


他人の言動はどうすることもできない。フジテレビの社長が「A社員はフジテレビアナウンサーの女性献上には全く関わってない」との見解に対して第三者がその言論を止めることも修正することもできない。その言動に対してどのように反応するかは「自分次第」である。


大切な人が事故にあう、最愛の人が病気で死ぬ、入試に失敗する、恋人が自分のことを嫌いになる、赤紙が送られて来て最愛の夫が軍隊にとられ二度と帰ってこない、釣りに行ったのに一匹も釣れない、夏休みを返上しあれだけテニスの練習をしたのに初戦敗退してしまう・・・・どれもこれも自分が望んで起こした出来事ではない。原因は他にある。それを自分でどうにかすることなどできない。

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