第668回男塾「日本の移民問題はもう始まっている」
我が国の移民問題はこれから本格化する
前回の男塾「日本はドイツの失敗に学べ」で移民・難民問題でドイツは窮乏していることを指摘すると同時に、日本はドイツの後追いをしてはならないと警鐘を鳴らした。本論考は一話完結のその続編にあたる。
民族間による対立というのはおそらく有史以来始まっており、なかなかなくならない問題である。中東の異民族イスラエル問題、ミャンマーの少数民族ロヒンギャへの弾圧、アフリカの部族間抗争、そして国を持たないクルド人問題と、民族間の対立は世界中にあり根が深く解決しない。それを乗り越えるのはお互いに「愛し合い」、「睦みあい」、「信じあうこと」だが、信じる宗教も、言語も、文字も、歴史も、文化も違う者同士が共通点よりも相違点に目がいき、相互不信が紛争を招きひいては国家間の戦争に結びついている。
ドイツは、移民・難民を受け入れる「義」をなした。住む家を用意し生活保護を支給し人間としての生活ができるよう支援した。そのようなことをしないといけない合理的な理由はないが人道上の問題として手を差し伸べた。移民・難民は受け入れてくれるばかりか多大な援助を成してくれるドイツに感謝をすべきところだが、逆に治安は悪化し、犯罪が増加しただけでなく、おまけに労働も嫌がるので国内では労働力が不足しているというのに労働力にもならない。国益にならず治安を悪化させ犯罪を増やすだけの移民・難民の受け入れなどどこの国でも願い下げだ。
ところがドイツの移民問題は決して日本には関係のない出来事ではなくなっている。日本の特定の地域では既に始まっているのだから。そして日本政府は本格的に移民受け入れの法案を通したのだから、日本の移民問題はこれからもっと深刻化するに違いない。