第91回効果絶大!!健康塾「誰でもできる痛くない火傷治療法、教えます」3
夢の「傷治療材料」を開発する
前回、夏井医師による熱傷治療における原初的な「ラップの療法」を紹介した。外気に傷口を晒さないことが熱傷治療における無痛の掟なので、食品包装用のラップ(サランラップやクレラップ等)を代用して傷口(創面)を覆うことが肝心だ。しかしラップは元来医療用治療材料ではないため、夏井氏はラップを超越する熱傷専門の治療材料を苦心を重ねて開発した。
氏が掲げる理想的治療材料の条件は次の五つをクリアしたもの。この無理難題を開発メーカーに要求した。
・吸水性がある
・傷口(創面)に固着しない
・傷口を乾燥させない
・自由に切って使える
・安価
無から有を生み出すのは至難の業だ。やったことがある人ならお分かりいただけることだろう。「汗」と「時間」と「根性」と「忍耐」と「ネバーギブアップの精神」と「お金」がいるもの。それは「新プロジェクトX」を見れば想像できることだ。この難しい要求をクリアしたのは、医療器材メーカーでも医療品メーカーでもなく、製造機械メーカーだった。