第656回男塾「緊急・止まらぬ円安」後編
「利下げ」はいつ行われるか
市場では「バーナンキ議長は9月に利下げの決断をするのではないか」と言われている。また、11月の米大統領選挙にトランプ大統領が誕生すれば、経済優先の「利下げ論者」なため「利下げ」は確実である。彼は常々「ドル高は大惨事」と述べており、ドル安への転換を政府方針にすることは間違いない。しかるに民主党が計画していた来年度中までに「5回」の利下げのロードマップどころか、トランプ大統領なら「7回」はするだろうと目されている。
民主党としたら「トランプ大統領が就任して利下げを始めた」と言われるより、民主党政権時代から利下げに舵を切った実績を見せたいところなので早ければ9月、遅ければ11月に1回、ひょっとすると2回する可能性も出て来ている。
先ごろ行われたTV討論会でバイデン大統領の認知機能低下が明るみとなり、支持率は急落。トランプ大統領候補は5月31日に有罪評決を下されたものの、バイデンのTV討論会の醜態によって勝負どころで完全勝利をした。次の民主党大統領候補として副大統領のカマラ・ハリスの名前があがっているも、ハリスは就任当時から米国民に不人気で、とてもトランプ大統領候補の相手にはならない。「もしトラ」は「ほぼトラ」に変わった。政権が共和党に移行するのは確実だ。