第644回男塾「ハワイの物価を通して見えて来る日本の敗北」6 最終回
いよいよ最終回。
前論考「5」では今のままでは実現することはほぼほぼ不可能な「机上の空論」をあえて書いてみた。30年以上のデフレ経済を継続してしまった国家が各国の物価水準に追いつくことがいかに難しいことか理解して貰うためにもシミュレーションもしてみた。
日本以外の諸外国がコロナ前までのかつての日本のようにデフレ経済に陥り、今の物価のまま踏みとどまってくれて「亀とウサギ」の寓話に登場するウサギのようにレース中に昼寝をしてくれたら追いつく可能性があるものの、今後も相手も走り続けていくことは間違いないため追いつくことは至難の業だ。日本は相手のインフレ率を2倍~3倍超過しない限り近づくことなどできない、ということが理解できたことだろう。
しかし・・・・このプランをそのまま実行しないにしても類似の物価上昇プランをいつか実行しない限り、輸入する原材料や資源は人件費格差によって上昇していくことは間違いないため、いや、既にとてつもなく上昇してしまっているように、ずっと日本は国際社会で不利な戦いを余儀なくされるようになっていくこととなる。