2024/07/03

第653回男塾「安藤百福は偉い」5・最終回

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第653回男塾「安藤百福は偉い」5・最終回



宇宙食ラーメン「スペース・ラム」の開発
百福はカップヌードルの開発後、「日清焼きそば」「どん兵衛」「カップライス」と、世の中にない商品を次々と創り、世に出し続けていった。そして遂にはNASAに供給する「宇宙食ラーメン」まで開発していくこととなる。開発の苦労や経緯は割愛するが、2005年、百福の開発した宇宙食ラーメン「スペース・ラム」は、とうとう宇宙を飛んだのである。


スッテンテンになった百福が起死回生をかけて池田市の自宅のバラック小屋から始めた即席麺の開発は、半世紀後には「宇宙食」となり大衆食であったラーメンは世界食となり、遂には宇宙を飛んだのだから驚異的な成長と言える。だから私はもっともっと安藤百福は正当な評価を受けるべきだと思い、こうして功績を称えるために男塾で紹介しているわけだ。


宇宙飛行士の野口さんはインタビューに対して、「地上で食べる味が再現されていて、大変美味しかったです」と答えている。百福は宇宙食ラーメンのことを「スペース・ラム」と名付けたのだが、野口さんが宇宙ステーションで「とんこつ味のスペース・ラム」を食している映像は池田のインスタントラーメン発明記念館で待つ百福の元に届けられた。


「チキンラーメン」「カップヌードル」に続く「スペース・ラム」の成功は、95歳の百福は少年のように感動した。こんなに嬉しいことはなかろう。48歳という決して若くはない歳になってからインスタントラーメンの開発に取り組んだ百福は、生きている間に世界の日清食品として宇宙食まで作ったのだから、最後の最後までチャレンジ精神を失うことなくこの世にないモノを世に出し続けた人生であった。

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