第36回男塾「空き家対策と古民家再生」前編
※「イスラエルとパレスチナ」の論考の総まとめとして10回、11回と2回分残っているが、目先を変えて今回と次回は「空き家対策」についての論考をお届けすることとする。
空き家は"死産"ではなく"資産"
空き家はここ20年間で1.5倍の849万戸にも増加しているし、人口減の日本では今後益々空き家は増える見通しである。こうしている間にも空き家は増えていっており、一千万戸突破は時間の問題であると言われている。一方、欧米では古い家や家具にも価値があり頻繁に取引されているし、新築着工戸数よりも中古物件の取引戸数の方が上回っているのが普通である。
しかるに日本では「女房と畳は・・」という新しいモノにより値打ちを見出す文化が根付いており、古い住宅を回転させる市場が十分に育成されていない。そうは言っても中古車業界は熟成された産業の地位を得ており、新車でなくとも平気で中古車は売買されているし、昨今では古着屋は大繁盛している。耐久消費財と消費財は別の位置づけとして捉えられているのか、家だけが神聖化されているのか今一つ分からない。