第625回男塾「エゼキエル戦争が迫っている中東の未来」3
日本に石油が入らなくなる日
「ホルムズ海峡」と「バベルマンデブ海峡」は、チョークポイント(戦略的に重要な海上水路)である。日本の原油の97%はホルムズ海峡を通過して来ているし、ホルムズ海峡封鎖権はイランが握っている。また、湾岸協力会議のメンバーであるサウジアラビア・バーレーン・クエート・オマーン・カタール・UAEも封鎖には関与するだろう。
いつのまに97%もの石油をホルムズ海峡に依存するようになっていたのか驚く人もいよう。そう、ウクライナ戦争勃発以前の依存度は90%であった。日本は第二次世界大戦前にABCD包囲網によって石油が入ってこなくなり、「座して死待つことはできぬ」と、戦争に突入していかざるをえなくなった歴史がある。
この教訓を生かして戦後国産エネルギーである「原発」「水力発電」に力を注いだ。がしかし東日本大震災の原発事故によって原発の大半は停止したままであり、一時は40%を占めていた原発による発電量は、今はわずか5.9%に低下してしまっている。一方、太陽光発電は9.3%、水力発電は7.8%なので、原発はそれら以下でしかない。