2023/12/08

第619回男塾「景山民夫は知っていた」4

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第619回男塾「景山民夫は知っていた」4



幽霊になるってどういうこと?
霊界知識の皆無によって、環境適応を拒み続け深みにはまっていくこととなる。深みにはまるとはどういうことかというと、実に平易な日本語で言うと幽霊になってしまうということである。柳の下に出没する幽霊も、自殺の名所にたたずむ幽霊も、交通事故現場にいる地縛霊という名を冠される幽霊も、サイパンで戦死したのに、未だに軍服を着て銃を持ち戦争しているつもりの戦死者の幽霊も、はたまた殺人現場にいる殺された被害者の霊も皆、死の自覚がない。


つまり死んだことが分からない、下手をすると数百年でも幽霊を続けることになる。それは苦しいことである。幽霊になるということはどういうことかというと・・・・死後の苦しい状態が何十年経過しても、ずっと継続しているということを意味する。よって幽霊をしていても決して楽しくも何ともない。幽霊に幸福感はないのだ。


地上に留まる一番の心的要因は何か言えば「執着」である。地上の生への執着、無念という執着、恨みという執着、財産への執着が、愛する者への執着が、自分を幽霊という、人間に忌み嫌われる存在にさせていくのである。そして幽霊とは悪霊でもある。決して善霊ではない。自分が悪霊になるなどと考えたくもないだろうが、一定の割合で悪霊になってしまっているのが実情である。そしてこの物語の主人公はほぼ確実に悪霊になることが予測でる。


だから仏教では「執着を断て」と教える。執着が地上での不幸をつくり、死して成仏を妨げ死後も不幸になるから教えたのに他ならない。人間は永遠の生命を有し転生輪廻を続ける生き通しの魂であると信じたほうが幸福になれるのに、一回きりで人生は閉じてしまい、死とともに永遠に蘇ることなどないと思っている人が多すぎる。

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