2023/12/18

第621回男塾「イスラエルとパレスチナ 人類史上最もやっかいな問題」2

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第621回男塾「イスラエルとパレスチナ 人類史上最もやっかいな問題」2




アブラハムについて
本論からそれるが、ある意図があってアブラハムについて言及しておく。キリスト教では転生輪廻は認めていない。グノーシス派とかの神秘主義者がイエス没後に欠けた教えを修正するために活動したものの、弾圧を受けて転生輪廻思想が定着することはなかった。だからキリスト教では未だに転生輪廻の思想がない。 しかし新約聖書にイエスが転生輪廻を認めている箇所はあるのだ。それがイエスの「私はアブラハムが生まれる前からいた」という発言である。


これはイエスは天上界に存在していて、天からアブラハムを見ていたということを示している。まだある。パブテスマのヨハネは、「エリアの再来」と言っている。事実はどうか別としてイエスの露払い役をしたヨハネは、エリアの生まれ変わりと言っているのである。つまり転生輪廻を認めていないキリスト教の教祖であるイエスは生まれ変わりを生前に説いている。


それは当然かもしれない。イエスが一人立ち、ユダヤの人々に対して「愛の法」を説き始める前の青年時代にエジプトで修行をしている。当時の先進国であったエジプトの教えとは、「転生輪廻」であり「復活の思想」であった。当然、イエスはその影響を受けていたし、真理を悟ったイエスが生まれ変わりを知らないということなどなかった。


しかし、イエスの活動期間はわずか3年しかなく、ゴルゴダの丘で十字架にかけられて絶命するまでの、わずか3年という短い伝道期間にイエスが教えの中心に据えたのは「愛の教え」と「病気治し」であった。それだけに転生輪廻の思想を明確に説くだけの時間がなかった。かくて、後のキリスト教信仰者は真実が分からなくなり転生輪廻の思想を異端とし、それを信じる者を弾圧した。

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