第620回男塾「イスラエルとパレスチナ 人類史上最もやっかいな問題」1
人類史上最もやっかいな問題
本タイトルは米国サンフランシスコ在住のユダヤ人であるダニエル・ソカッチ著「イスラエル 人類史上最もやっかいな問題」という著書名からヒントを得て、それに「パレスチナ」を加えてつけたものである。その方が今起きている戦争と、今後も終わりのない両者の紛争の実態を克明に表現しているからである。
原書の直訳でこのタイトルをつけていたのか否か知らないが、いや、おそらく訳者の鬼澤忍氏が副タイトルを考案したものだろうと推測するが、「人類史上最もやっかいな問題」という副タイトルは、端的にイスラエルとパレスチナ両者の問題がいかに地球的規模の大問題であり、人類史上類のない「領土問題」であるかを示唆している。
そして・・・・この問題は幾度も指摘して来たように、両国間同士の単独戦争で終わることなく、また中東戦争という広域戦争でも終わることなく、近未来に「最終戦争」まで続く紛争になる可能性を秘めている。ロシア・ウクライナ戦争はヨーロッパ文明の辺境での戦争であり、ロシアにとってはいわば内戦なので拡大する可能性は低い。
だがイスラエル・パレスチナ戦争は拡散の危険が大。イスラエルはいわば西欧の飛び地になる。それは欧米社会がこぞってイスラエルの側についていることでも分かる。よってこの紛争はアラブとイスラエルの交戦だけでは済まず、西側文明とアラブの戦争に拡大していく可能性を排除することはできない。つまりイスラエル戦争は西洋文明とアラブ文明との文明の激突する戦争であるということ。