第20回男塾「第五次中東戦争に続くイスラエル・パレスチナ戦争」4
イスラエルとサウジの国交正常化阻止に成功したハマスの攻撃
米紙ウォールストリート・ジャーナルは、イラン最高指導者直属の「革命防衛隊」メンバーとハマスなどの幹部が今年8月以降に会合を重ね、イラン側が攻撃計画を策定し支援したと報じた。英紙ファイナルシャル・タイムズはハマスが3000発以上のロケット弾を発射できる能力を備えていたことから、「ハマスとイランの関係がどれほど深化していたか再検討する必要がある」と論じた。
ハマスとイランの関係は同じイスラム教スンニ派として、対イスラエル作戦で組んでいるのは当然と見ないといけないだろう。では何故この時期かというと、ちゃんとした理由がある。
イスラエルが進めるサウジアラビアとの国交正常化協議を妨害したいからに他ならない。両国が国交を結べば中東の勢力図は一変しイランの孤立が進むと見られていた。そこでイランを後ろ盾とするハマスが協議の妨害を目論み、10月7日の大規模攻撃を着手したという見方は当たっているだろう。イ・ハ双方から3000発~5000発とも発表されているロケット弾はイランから供給されていることは想像に難くはないだろう。(一部北朝鮮製のミサイルの破片が現場で発見されたとの報道もある)
サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子