第591回男塾「百害あって一利ない『マスク』を外そう」後編
無症状感染者からは感染していない調査結果
しかし無症状感染者が人にウイルスを感染させるというエビデンスは必ずしも明確ではない。そもそも無症状の人を感染者と呼べるのかという問題は一旦置くとして、無症状である以上ウイルス量は有症状感染者より格段に少ないはずだから、医学雑誌に掲載された２つの論文では無症状感染者が他人にうつす感染力は有症状感染者の感染力の１/13から1/10だという結論を出している。
一方2020年11月に中国、イギリス、オーストラリアの19人の専門家からなる合同チームが科学雑誌 Nature Communications に、無症状感染者からの感染を否定する大規模な研究調査の研究論文を発表した。
彼等はロックダウン明けの武漢で1000万人ほどを対象に大規模調査を行い、無症状感染者約300人から採取されたウイルスを培養してみた結果、感染力のある活性物質は検出されなかったという。またこの300人の濃厚接触者1174人を2週間隔離して経過観察したところ、ただの一人も発症しなかった。
つまり無症状感染者から感染した人はゼロだったのである。もし無症状感染なるものがそもそも存在しないとすれば、マスクはおろか都市封鎖も無意味になる。感染症対策の基本に従って、感染症患者だけを隔離すれば十分ということになってしまう。