第592回男塾「EV化にはトヨタを潰す『罠』が仕掛けられている」③
~欧米中の仕掛けるEVの罠~
ゲームチェンジを画策しているEU
本論考のもう一つの重要な論点は、EV化の潮流の背景には「罠」が潜んでいるということだ。その「罠」とは何かというと、EV化という「ゲームチェンジ」によってトヨタを中心とする日本自動車群を弱体化させようとする欧州勢による企みがあるということである。
2015年にフォルクスワーゲン(以下VWと表記)は「ディーゼル・ゲート事件」という事件を起こし世界中からバッシングを受けた。排気ガスが汚い車を実際よりきれいだと見せて数値偽装して世界中に売っていたというのがその事件である。卑怯なVWの作為的な嘘は大スキャンダルとなり、ディーゼルに対する風当たりが一気に強まることになった。当然、売り上げもどんどん落ちトヨタとの差は開いていったわけだ。
VWはディーゼルエンジンに賭けていたのに困り果てた。「ハイブリッドは日本メーカーが先発し我々にはその技術がないし、今さら追いつき追い越すことは不可能」と追い詰められた。
さて追い詰められた彼らは何を考えついたかというと、「ゲームチェンジをすれば劣勢を跳ね返せるのではないか」と思いつきその方向でEU全体が動き出した。