第292回男塾「大東亜戦争によるアジアの解放は結果論や後づけではない」3
「帝国政府声明」と「終戦の詔書」には一貫性がある
昭和天皇は終戦の詔書で次のように述べられておられる。「朕は・・・・・」で始まる独特の天皇調の詔は誠に難解であり、終戦の詔書の全文を正しく理解している日本人はほとんどいないことだろう。それを現代語訳し、本論考に関係のある最も肝心な箇所をご紹介する。格調高い天皇陛下の詔書であり、ぜひ全文紹介したいのだが、字数に限りもあるし、本論考との論点と離れていくのでここは我慢我慢。詔書で「アジア解放」に触れられた箇所に絞る。
「終戦の詔書」で述べられている内容を知ることにより、開戦の「帝国政府声明」という"点"と、「終戦の詔書」という"点"ををつなぐのが、前回2で紹介した「日本軍アジア独立支援年譜」という"線"であることがより明確化するはずである。では始めよう。
「・・・・・それどころか、敵は新たな残虐な爆弾(原爆)を使用して、しきりに無実な人々までをも殺傷しており、惨憺たる被害がどこまで及ぶのか全く予測できないまでに至った。なのにまだ戦争を継続するならば、遂にはわが民族の滅亡を招くだけではなく、ひいては人類の文明をも破滅しかねないであろう。
このようなことでは、私は一体どうやって多くの愛すべき国民を守り、代々の天皇の御霊に謝罪したら良いというのか。これこそが、私が日本国政府に対し共同宣言を受諾するよう下命するに至った理由なのである。