第225回男塾「砂糖は体も心も狂わせる」 1
前回、「健康維持の決定版は『塩』にあった」で、塩がいかに人体にとって大事なものであるかを述べたが、予想を上回る反響があり大好評だった。塩で健康維持、健康回復をしてもらえれば、塩分摂取運動を提唱している筆者としてはこれに勝る喜びはない。男塾では定期的に、医学・健康の論考を配信しているが、それは医学の世界にも"常識"と呼ばれているウソが蔓延しているからに他ならない。
さて、今回は塩の対局にある「砂糖」について研究した結果を発表する。「辛い」の巻の次は「甘い」の巻というわけだ。本能的に、辛いモノは往々にして良いものであり、甘いモノは人を誘惑し、堕落させる悪いモノであるように思えるが、その通り、直観は当たっており砂糖はあらゆる害悪を人類に及ぼす元凶であった。
味覚ではなく、「からい」というのは、難行道を象徴し、「あまい」というのは易行道を象徴するような響きがあるが、易しい道には悪魔が潜み、修行者をそそのかし堕落への道に引きずり込むものだ。砂糖の甘さの誘惑に勝てず、健康を害している人は多い。
生命の母である海は海水であり、胎児を育てる羊水も塩水である。塩は魔除け、厄払い、清めるために用いる。しかし、砂糖は神事、仏事、いずれも登場する機会はない。
砂糖というものは、体に悪影響を及ぼすという個人の肉体の健康という分野を超えて、実は心にも悪い影響を及ぼす。更にそれだけに留まらず、砂糖の暴利を求め人類の歴史を動かすほどの力を持つ魔力をも有していた。その結果、奴隷制、集団虐殺、組織的犯罪という爪痕を人類史に残して来たのだから怖ろしい。砂糖をめぐる負の遺産は驚くばかりであった。