本編は再び消費税にスポットを当てる。ひとつ前の論考「消費減税ではなく消費税廃止が正解」の捕捉にもなるはずである。
消費税を導入したのは政治家ではなく財務省であることは既に述べた。消費税を必要としたのは財務省だけであり政治家は必要性を感じることはなかった。なぜならば消費税を導入した1989年はバブルの最盛期であり予算以上の潤沢な税収が入ってきており、新たに消費税という新税を導入しなければならない理由など何一つなかった時代だ。当時は財政赤字が永遠に続く財政難の今の時代とはまったく様相が異なり、年々歳々税収がうなぎ上りにあがってくるホクホクの時代であったことを知らなければならない。
そもそも有権者に不人気な増税など政治家はしたがらない。無論、有権者も望んでいない。増税をしたいのは選挙のない財務省、徴税力を拡大させることによって権力を増大したい財務省だけだ。当時の大蔵省は納税における直間比率の見直しを大義名分として、中曽根内閣以前から「売上税」の導入を画策していた。
歴代の首相が消費税増税に反対できなかったのは、財務省の逆襲が恐ろしかったからである。橋本首相は、火だるまの覚悟で臨んだ省庁再編という行革から数年後に「日本歯科医師連盟献金事件」が発覚。日本歯科医師連盟からの献金を、収支報告書に記載されておらず政治資金規正法違反に問われた。献金は橋本派が受け取っており橋本氏も同席していた。橋本首相は不起訴になったものの政治責任をとるために橋本派会長を辞任したうえ、政界引退まで追い込まれた。
彼は「大蔵省解体」を始めとする省庁再編に手を付けたばかりに大蔵省官僚の恨みを買い、本当に火だるまになってしまい、ものの見事に打ち落とされてしまった。これは意図的に狙われたのであって偶然に事件が発覚したわけではない。国税庁の秘密捜査官が橋本首相の身辺調査をして炎上ネタを探しだし、適切な時期に火をつけたのは想像すれば分かることだ。日歯連と自民党の癒着は、昨日今日に始まったことではなかった。それまでに不正献金は幾例もあっはずであるがネタを掴んだ財務省は橋本首相の時に爆発せたわけだ。