第742回男塾「生命の驕り(いのちのおごり)」
時間の選択
「時間」について一考したいと考え、筆を執る。
時間について思いを巡らすならば、まず初めに思い浮かぶことは「時間は有限である」ということだ。人間のみならず、すべての生物は長短に関わらずいつか滅する宿命にある。生を受けた瞬間から、死に向かって歩を進めているとも言えよう。ただし「死」を認識しているのはおそらく人間だけではなかろうかと思う。だからこそ、古来より死について人類は哲学してきたし、私もこうして哲学し続けている。
ある者は、死があるからよりよく生きんとする。ある者は、そのことは知ってはいるものの深く考えることなく時間を浪費する。ある者は、生きている時間がすべてだと思い欲望のなすがままに生きる。ある者は、人生の目的と使命を自覚し心の統御を意識し生命を燃焼させる。有限の時間の中で、人はその人にとって最も価値を見出した生き方を選択する。
人間は、死に方は選択できないものの生き方は選択している、と言えよう。