2019/05/16

第379回男塾「中朝崩壊により、日本の既存野党が『壊滅状態』に陥る」

政治
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第379回男塾「中朝崩壊により、日本の既存野党が『壊滅状態』に陥る」


北朝鮮で何が起きるか

「令和」は、どんな時代になるのだろうか。大胆に予想すれば、「政治面で二大政党制が根付き、経済面では日本が飛躍を遂げる」とみる。その前段で起きるのが「現・野党勢力の壊滅」だ。なぜか?

そんな予想の大前提を先に述べよう。それは「明日の日本の姿は、世界情勢に左右される」という事情である。いくら日本が勝手に「こうありたい」と願ったところで、それを許すような周囲の環境が整っていない限り、願いは現実にならない。

たとえば、日本が「戦争をしたくない」と思っていても、周辺国から戦争を仕掛けられたら、戦わないわけにはいかないだろう。「それでも戦わないで、すぐ手を上げる」という、旧民主党勢力のような敗北主義者もいるかもしれないが、多くの人は「座して死を待つ」選択をしないはずだ。

人々は普段、意識していなくても、世界の情勢を眺めて、日本の政治を考えている。政治は政策を通じて、経済にも大きな影響を及ぼす。間違った政策をする政権が誕生すれば、国は成長できない。それは、かつての民主党政権や隣国で実証済みだ。

だから、日本の将来を予想するには、まず世界、とりわけ東アジアの情勢をどう読むか、が重要になる。世界情勢の見方を間違えれば、必然的に日本に対する見方も間違えてしまう。そこで、東アジア情勢を先に考えよう。


北朝鮮は遠からず崩壊する

まず、北朝鮮はどうなるだろうか。筆者は金正恩(キム・ジョンウン)政権が長続きする、とは思っていない。いずれ必ず、崩壊する。なぜかといえば、北朝鮮のような国でも、情報を完全に遮断できないからだ。それは皮肉にも、2度の米朝首脳会談が明らかにした。会談の様子は国営メディアを通じて北朝鮮国内に流れ、国民は断片的であっても、外国の様子を知ってしまった。

この間、米朝だけでなく、中朝首脳会談もロ朝首脳会談も開かれた。金正恩・朝鮮労働党委員長は自ら、情報を閉ざしてきた鉄の扉を開いてしまったのだ。会談の成果をひとまず棚に上げたとしても、筆者は「米朝首脳会談を開いたこと自体が政権の命取りになる」とみる。

かつてソ連が崩壊したのは、当時のゴルバチョフ書記長が進めたグラスノスチ(情報公開)が一因だった。チェルノブイリ原発事故も情報公開を後押しした。ソ連の人々は事故を受けて「自分たちの国がいかに時代遅れになってしまったか」を、まざまざと実感したのだ。世界の現実を知れば、国民は必ず自国と比較する。そうなれば、不満が高まるのは避けられない。国民の不満はやがて政権の足元を揺るがすだろう。

実際、ハノイでの米朝会談の後、金正恩政権は動揺しているように見える。会談前に国内では制裁解除を見越して、異例の事前報道を展開していただけに、正恩氏にとって会談決裂は痛かったに違いない。

正恩氏はその後、ロシアを訪問してプーチン大統領の支援取り付けを目指したが、それも大失敗した。プーチン大統領は、米国の北朝鮮の核廃絶路線を支持し、ロシアによる仲介を断った。プーチン大統領は、北朝鮮ではなく、日本、米国側につく方が得策だと判断した。実に懸命な政治判断ができる男である。

こうなると、正恩氏は苦境から脱する出口がなくなってしまった。強がってはいるものの、3回目の米朝首脳会談を期待していること自体が、袋小路に追い詰められてしまった現状を告白している。結局、北朝鮮は遠からず崩壊する。これが前提の1つ目だ。


このところ、たて続けに弾道ミサイルを日本海に向けて発射しているのは、米国や日本への威嚇ではなく、国内対策である。あまり弱腰な所を見せたら反勢力に付け入る隙を与えてしまうので、国威発揚の名のもとに勇ましい委員長を演じているのである。


米中冷戦は、中国が崩壊するまで続く

次に、米中新冷戦の結果、中国も崩壊する。正確に言えば、中国共産党の支配体制が終わる。ペンス副大統領は昨年10月4日の演説で、中国と全面対決する方針を初めて明言した。米国は中国とガチンコ対決する構えなのだ。

昨年秋の段階では、米国が本気で中国と戦うのかどうか、日本では半信半疑で受けとめられたが、それが本気だったことは、その後の展開が証明している。2月末に妥結するはずだった米中貿易戦争は、4月に入ってもまとまらず、とうとう、トランプ大統領が先に仕掛けて来て、お互いに25%の報復関税をかける米中貿易戦争第二弾に突入することになった。


中朝の魂胆を見抜いて仕掛けたトランプ大統領

次の選挙で、トランプ大統領から弱腰の民主党政権への転換を中国・北朝鮮両国は望み、のらりくらり交わして時間稼ぎをしたかったのだろうが、トランプはそれを百も承知で許してくれない。彼らの魂胆はちゃんと分かっている。中朝両国は、トランプ大統領の両国を崩壊させるまで戦わんとする不退転の決意を理解していない。先軍政治しか知らない若造や、共産主義にどっぷり漬かりきって、経済がさっぱりわかっていない習金平は、百戦錬磨のトランプにかなう相手ではない。

中国はなんとしても米国と妥結し、打撃を最小限に食い止めたい、と思っているだろうが、トランプ政権は甘くない。まだ、何とかなるという甘い考え方を捨てきれないでいる。これから先、とことん追い詰めていくことは間違いない。

貿易戦争や関税合戦は狙いではなく、両国の政治的崩壊をさせ、ソ連崩壊後に東アジアに残った共産主義国を叩きのめすことがトランプ大統領の狙いなのである。だから、一切の妥協はない。未来の歴史書には、トランプ大統領は、共産主義と戦い地上から共産主義国を抹殺したアメリカ大統領として名を残していることだろう。

仮に合意がまとまったところで、中国が南シナ海に軍事基地を建設し事実上、自分の縄張りにしつつある問題などは、ほとんど手付かずの状態だ。今、トランプ大統領が仕掛けている貿易戦争は、中国を弱めるための第一段目の攻撃であり、それは、南シナ海問題解決をも射程に入っている。

アメリカへの輸出で儲けて軍事力を拡大して来たのが中国だ。それは、中国の軍事力拡大とアメリカの対中貿易累積赤字は、見事に正比例している、その事実がそのことを証明している。





アメリカとの貿易黒字により、軍事力に年間約20兆円もの予算を投下できているのだから、それをできなくするために、トランプ大統領は、対中貿易赤字の削減要求をしているのである。いわゆる兵糧攻めが、巡りめぐって南シナ海問題への攻撃となっていくのであり、軍事と経済は密接に関連している。

米中新冷戦の核心は、世界の覇権をめぐる対立であるのだから、全面対決となるのは筆致である。


逆立ちしても中国は米国に勝てない三つの理由

どちらが勝つかといえば、米国に決まっている。なぜか?中国が成長したのは、米国の技術を盗んできた、あるいは、米国自ら進んで提供したからであるが、中国の野望に気付いた米国は、もう窃盗を許さない。これが理由の1点目。

中国人になりたいと思っている米国人は1人もいないだろう。それは日本人もまた同じこと。ひょっとしたら日本共産党党員でさえ、中国人になりたいと思っていないかもしれない。が、米国人になりたいと思っている中国人は山ほどいる。「元」という共産主義国の通貨などは、中国人を含めて誰も信じていないが、「ドル」「円」は信じている。ただ信じているだけではなく、中国人の富裕層はこぞって、実際に「ドル」「円」に換えている。それだけ米国や日本に魅力があって、中国には魅力がない。これが2点目。

米国は「自由、民主主義、信仰、法の支配、人権、市場経済」といった理念を標榜し、それを地球上に広げんととする国家であるが、反対に中国は、米国の価値観に真正面から挑戦している。

中国には「自由はなく、民主主義国ではなく全体主義国であり、信仰する組織を弾圧する無神論国家であり、法の支配ではなく一党独裁の共産党支配の国家であり、人権などまったくなく、牢屋の中で監視される社会であり、政敵、異民族を死刑にして臓器販売をする国家である。更に共産主義に市場経済を接ぎ木し増長させた、資本主義による市場経済とは異なる化け物経済である」、そうであるがゆえに、米国は最後まで戦わざるをえない。これが3点目だ。


米中対決の本質はイデオロギー対決

かつての米ソ冷戦で、米国は最終的にソ連を崩壊させるまで戦い抜いた。ソ連を追い詰め崩壊に導いたのはレーガン元大統領であった。米国が最後まで戦いぬいたのは、共産主義のイデオロギーが米国の理念に挑戦していたからだ。

同じように、米中新冷戦では、米国は中国共産党体制が崩壊するまで戦うに違いない。中国の全体主義を絶対に容認できないからだ。軍事力拡充により、米国の覇権奪取を目論む中国を許せないからである。

したがって、習近平体制はもちろん、いずれ中国共産党体制そのものが崩壊する。これは、べつに荒唐無稽な見立てではない。米国の戦略家として著名なエドワード・ルトワック氏も「米中対立は中国共産党政権が崩壊するまで続く」とみている。これが2つ目の前提だ。

さて、ここからが本題である。中国と北朝鮮が崩壊すると、日本で何が起きるか。野党が崩壊する。それはなぜか?


野党の存在理由がなくなる

野党同士の一番の拠り所は、「戦争を目指す安倍政権に反対」というスローガンに示されている。ところが、中国と北朝鮮が崩壊してしまうと、日本を脅かす最大の脅威が消えてしまい、そもそも日本が戦争する相手も理由もなくなってしまう。

その結果、野党のスローガン自体が無意味になって、野党の存在理由も野党勢力全体の結集軸もなくなってしまうのである。この点は衆参ダブル選挙の見通しが強まってきたのを受けて、野党が「安保法制廃止法案」を提出したことが証明している。

野党は安倍政権に反対して共闘する明確なスローガンがないから、あえて自分たちが安保法制廃止法案を出して、それを結集の大義名分にしようとしている。逆に言えば、それくらいしか野党が結集する理由がないのだ。

野党が安保法制になぜ反対するかといえば、まさしく「安倍政権が作った戦争準備法制」とみているからだ。だが、戦争する相手が崩壊してしまえば、こんな話はまったく無意味になる。その結果、野党は最大の存在理由を失って、どれもこれも崩壊せざるをえない。

このロジックは、「風か吹いたら桶屋が儲かる」という、一つの原因がある結果を生み、その結果が原因となり次の結果をつくっていくという、原因結果の連鎖から大胆な未来予測が導き出されたのである。


保守系野党誕生(躍進)による二大政党制が日本を繁栄に導く

今の野党が消えてしまうと、その後に何が起きるだろうか。「初めて現実的に物事を考える野党が登場するのではないか」と期待している。

自由と民主主義などの理念、安全保障政策の根幹は自民党と共有しつつ、政策競争で自民党に対峙する本格保守系野党である。

新しい野党を、仮に「新自由民主党」と名付けよう。そんな新党が誕生するか、または、既存保守政党の大躍進があれば、自民党の一部も新勢力に合流するかもしれない。そうなれば、二大政党制が初めて現実味を帯びてくる。残るのは、極小化する共産党くらいだろう。社民連などは、とうの昔に終わってしまっている。

自民党+公明党の政権政党は新自民党と政策を競って、ときには下野し、新自由民主党に政権を譲る。真の意味での政策競争が行われる。日本を豊かにし、強くし、国民を幸福にするのかいずれの党なのかという、政策提言と実績に対する審判を国民がくだすようになる。

米国では、中国への敵対主義への転換は共和党、民主党とも理念を同じくして共有化している。国家の危機となれば、与野党とも握手して国益を追求できる。しかし、日本の左翼野党はレベルが低く、国益など関係なく、全ての政策を政争の具としてしか見ることができず、国益など関係なく反対のための反対に終始する。

しかし、保守系野党が誕生すれば、或いは、既存の保守系野党が人気を集め、議席数を増やせば、

その過程では、憲法改正が成され、憲法9条も常識的な内容に改められるのではないか。「自分の国は自分で守るのが当然」と言う意見が、異常な危険思想と捉えられることがなくなるのではないか。

出来ては消え、出来ては消え、或いは政党名を変えたり、離合集散を繰り返して来た「新党ブーム」は、「日本新党ブーム」や「大阪維新の会ブーム」という一過性の人気はあっても、定着することはなかった。直近の野党勢力の支持率を見ても、国民は左翼的な野党勢力に嫌悪を抱いている。また、勝てないと見るや、党を離れ、新党をつくったり、他党と合流するご都合主義の政治家にも愛想をつかせている。

今までの左翼野党の存在は、法案成立の遅延化を招いていただけの存在だったが、保守系の新野党の登場は日本国の経済発展に寄与することになろう。経済成長の源泉である企業活動も一段と活発になるだろう。

実際に、今までの国会を見ていたらば、反対のための反対をしている野党は、何の仕事もできていない。時間を費やしていくら安倍首相を叩いたところで、何の証拠もでなかった、「モリカケ問題」の追及など、結果的に時間の浪費でしかなかったではないか。

一事が万事、野党が仕掛けて来る攻撃は、ゴシップネタの類であり、肝心の中韓朝の外交問題に対しては口をつむぎ意見をしない。国民の生命と財産を守る重要な安全保障については、いつも及び腰で議論にもならない。このような野党勢力群は国益に反している。


イノベーション前夜の世界

以上の結果(中朝の崩壊と左翼野党連合の崩壊)、日本は大躍進を遂げる。令和は、まさに、長谷川啓太郎が大好きなフレーズである、「平和と繁栄の時代」になる可能性を秘めている。しかし、その前には世界と日本の大イノベーションが待っているだろうが。

その大イノベーション前夜を、令和元年になってすぐの日本人は見ている。その仕掛けをしているのが千両役者のトランプ大統領である。そういう「見方」ができると、今、起きている時事問題の本質が分かり、達観して見ることができる。

何の痛みを伴うことなく、共産大国が崩壊し自由化するというのはありえない。「世界貿易が縮小する」とか、「株価が下がる」とか、「世界的な経済的リセッションを呼び込む」とか、そのような表層的な問題は、中国という正義の立たない大国を崩壊に追いやるための、「コスト」とみるべきである。

世界にイノベーターが登場すると、悪役に仕立て上げ叩き続けるCNNのような条件反射的反応が伝統的マスメディアの態度である。未来を見据えていない不見識な日米の左翼マスコミの見解は、今までもそうであったように、今後も、ほとんど見解は外れていくことになるので、あまり耳を傾けるべきではない。

変化の時代に、マスコミ情報で動くと見誤ることになろう。一見、秩序維持することが「正しさ」であるという基準があるが、新時代を築くために、秩序を壊すことこそがその時代の正義である、ということも歴史的には多々あった。

中朝を崩壊させることこそが、自由と民主と信仰による繁栄を築き上げる前提条件と言ってもよいほどである。これからの激変の時代に突入するにあたって、日本人も世界も覚悟しておいたほうがいい。


中朝問題を終わらしても、次はイスラム問題が残っている

こんな予想が現実になるか、それとも夢物語で終わるかどうかは、最初の前提に戻って、北朝鮮と中国の行く末が鍵を握っている。金正恩体制と共産党体制が崩壊したとしても、依然として北朝鮮と中国が日本の脅威であり続ける可能性もゼロとは言えない。

米ソ冷戦が終結し、ソ連が崩壊した後、世界は平和と繁栄を享受する、という楽観論が広まったことがある。そして、ソ連崩壊を受けて、歴史家のフランシス・フクヤマ氏が執筆した『歴史の終わり』という本は世界的ベストセラーになった。だが、現実、世界は民族主義が台頭し、民族紛争が絶えまなく起き、更に、宗教対立によるテロの嵐が吹き荒れ、その予見は見事に外れた。

同じように、北朝鮮と中国共産党体制が崩壊しても、脅威は新たな衣装をまとって登場するかもしれない。それは、人類が予測もできないほどの、想定外の危機であるかもしれない。そうであれば、残念ながら、日本も新たな脅威に備えざるをえなくなる。

それに、中国、北朝鮮問題をかたづけたところで、イスラム問題が残っている。去年の今頃、男塾論考として「イスラエル紀行」で書いたように、イスラエルVSイラン・アラブ問題が残っている。イスラエルVSイランは、アメリカVSイランとなるのは常識だ。エルサレムを首都と認めたトランプ大統領は、どんなことをしてでも、イスラエルを守護し続けることだろう。

この戦いは宗教戦争でもあるので、中朝問題以上に複雑に絡み合って解決することが困難である。我々が生きている間に、中東の火薬が大爆発するシーンを見る確率は高い。

まだまだ戦争のない地球になるには、あまりにも人類は幼稚である。そこまで地球人類は進化していない。動物性が無くなるのは、数千年、数万年先のことだろう。

令和がどんな時代になるか。日本の政治と経済にとっても、世界の政治経済にとっても、2019年から短くとも2024年まで、長くとも2029年まで、ここ5年~10年が正念場になることだけは間違いない。

押忍                     

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